(5)資産運用の基本のお話

 

ア.キャピタルゲインとインカムゲイン

資産形成で得られる利益にはキャピタルゲインとインカムゲインがあります。

キャピタルゲインとは、売買によって得られる利益です。

 

例えば、株式を10万円で購入して15万円で売却すれば5万円がキャピタルゲインです。

一方、インカムゲインとは資産を保有していることで得られる利益です。

株式を保有していると配当や株主優待(サービスや自社商品の提供9を受け取れることがあります。

 

イ.債券投資と株式投資

債券は国や企業などが発行する信用証書のようなものです。

資金が必要になったときに債券を発行し投資家からお金を集め、満期がくると返済します。

例えば、期間5年の債券を100万円で購入すると満期時には100万円が戻ってきます。

満期までの間は定期的に利子が支払われます。

 

利子の金利は発行時に決められるので満期まで固定の利子が受け取れます。

 

但し、発行から満期までの間については、

債券は時価で取引されるので、

満期より前に換金しようとすると時価なので、

売却益が得られることもあれば、

売却損が発生することもあります。

 

中には発行後1年を経過すれば途中で売却しても

元本割れしない仕組みになった債券「個人向け国債」もあります。

 

一方、株式には満期がありません。

常に価格は変動しています。

 

株価が上昇したときに売却すれば利益が得られますが、

下がったときに売却すれば損失が発生します。

 

債券も株式もその動向は景気の影響を受けます。

 

ウ.リスクとリターンについて

 

金融商品にはどんなものでもリスクとリターンという考え方があります。

 

リスクとリターンは比例します。

例えば、銀行の普通預金という金融商品はお金を預けていて怖いというイメージはありません。

 

これはリスクがないからです。

リスクがないということは、リターンも限りなく無いということです。

 

リスクとリターンは比例します。逆に言うと、

リターンを求めようと思えば思うほど行きつく先はリスクが高い商品になりがちです。

 

なので、ご自身が今していること、

あるいはこれから検討しようとしていることが、

リスクとリターンで言うと、どのようになっているのかというのは、

投資する場合はしっかりと認識した方がいいです。

 

投資信託や定額保険や外貨建てや生命保険など

ご自身の中で始め安く続けやすいものを選ぶということが大切です。        

 

エ.資産形成の基本方針について

自分の夢や目標を書き出したライフプラン、

それを実現させるためのマネープランのための資金を

自分の収入だけで準備できれば投資をする必要はありませんが、

できないということであれば、

安全性と収益性の資産をうまく組み合わせて資産を形成する必要があります。

 

では資産形成の基本方針についてひょうにまとめました。

 

 

 

貯蓄

投資

目的

お金を貯める

お金を増やす

重視すること

安全性と流動性

収益性

利用する金融商品

元本保証のある商品

預貯金など

元本保証のない商品

株式、債券、投資信託

使途

緊急費用、教育資金など

老後資金、余裕資金など

 

 

資産運用の際はこのように貯蓄と投資を組みあわせて

安全性を確保しながら資産全体の利回りを向上させることが大事です。

 

オ.主な投資対象とリスクについて

投資対象となる金融商品には、株式、債券、外貨、不動産、商品の5つに分類できます。

どの商品にもリスク・リターンに違いがあり、そのうちリスクについては次のようなものがあります。

 

〇価格変動リスク

株式や投資信託などの価格が変動する金融商品は売却価格が購入価格を上回る場合もあれば、

下回る場合もあります。これが価格変動リスクです。

 

〇金利変動リスク

市場金利の変動によって株式や債券などの科かうが変動する可能性があるリスクです。

 

〇為替リスク

外貨建ての金融商品は為替レートの変動による影響を受けます。

購入時より円高になれば円に戻したときの手取り額が減り、

場合によっては利息や配当を上回り元本割れすることもあります。

逆に円安になると為替差益も得ることができます。

 

〇信用リスク

株式や債券などを発行している会社が経営破綻すると投資した元本や、利子の支払が滞る可能性があります。

 

〇地政学リスク

投資先の国・地域の政治や経済環境の変化によって金融市場が影響を受けるリスクです。